プラットフォーム・バージョン

Oracle Digital Assistantのリリース20.08以降、各ボット(スキルまたはデジタル・アシスタント)は、デジタル・アシスタントのリリース・バージョンに対応する特定のプラットフォーム・バージョンに関連付けられています。

つまり、デジタル・アシスタント・インスタンスがアップグレードされても、ボットはそのプラットフォーム・バージョンを引き続き使用します。

プラットフォーム・バージョンは、ボットの動作に影響します。これは機能の追加(組込みエンティティの追加など)を意味する場合もあります。また、単にプラットフォームの自然言語理解(NLU)のファインチューニングを意味する場合もあります。各プラットフォーム・バージョンは18か月間有効です。

特定のバージョンのボットがプラットフォーム・バージョンに永続的に関連付けられるようになったため、デジタル・アシスタント・インスタンスを新しいリリースにアップグレードしたときに動作が変更されることを心配せずに、そのボットを徹底的にテストし、トレーニング・コーパスを最適化して本番環境に移行できます。

新しいボットの場合、ボットの作成時にプラットフォーム・バージョンを指定します。現在のバージョン(推奨)または他のアクティブまたは非推奨のバージョンを選択できます。リリース20.06以前で作成されたボットの場合、プラットフォーム・バージョンは20.06に設定されます。

デジタル・アシスタントとデジタル・アシスタント内のスキルのプラットフォーム・バージョンは、一致している必要はありません。それぞれに異なるプラットフォーム・バージョンを使用できます。

ボットのプラットフォーム・バージョンをアップグレードするには、ボットの新しいバージョン(またはクローン)を作成する必要があります。

プラットフォーム・バージョンのライフサイクル・フェーズ

各プラットフォーム・バージョンは、次のライフサイクル・フェーズをたどります:

  • アクティブ - 新しいボットを開発する場合は、常にアクティブなプラットフォーム・バージョン(できれば最新)を使用する必要があります。

    プラットフォーム・バージョンは、リリース後12か月以上アクティブ状態のままです。

  • 非推奨 - このフェーズでスキルの開発を続行できますが、新機能と改善を活用し、プラットフォーム・バージョンを更新せずにボットを使用できる期間を延長するために、アクティブなプラットフォーム・バージョンに移行することをお薦めします。

    プラットフォーム・バージョンは、リリースから12か月後に非推奨になる可能性があります。非推奨になると、6か月間は「非推奨」状態のままになります。

  • 廃止 - 廃止されたプラットフォーム・バージョンの公開されたボットは引き続き機能します。ただし、このステータスのドラフト・ボットは変更またはトレーニングできなくなります。このステータスのボットの開発を続行するには、そのクローンを作成するか、新しいバージョンを作成してアクティブな(または非推奨の)プラットフォーム・バージョンを指定する必要があります。

    プラットフォーム・バージョンは、非推奨になった6か月後に廃止され、6か月間は「廃止」状態のままになります。

    いずれかのボット(公開済またはドラフト)がこのステータスのプラットフォーム・バージョンにある場合は、「無効」ステータスになる前に新しいバージョンを作成することが重要です。「無効」ステータスになると、新しいバージョンまたはクローンを作成できなくなります。

  • 無効 - このステータスのボットはすべて、機能を停止します。さらに、このステータスのボットのクローニング、インポートまたは新しいバージョンの作成もできなくなります

    プラットフォーム・バージョンは、6か月間「廃止」状態になると無効になります。

ボットのプラットフォーム・バージョンの変更

スキルまたはデジタル・アシスタントのプラットフォーム・バージョンを変更するには、ボット自体の新しいバージョンを作成(またはボットをクローニング)し、ボットの新しいバージョンでプラットフォーム・バージョンを設定する必要があります。新しいバージョンまたはクローンでは、ベース・ボットのプラットフォーム・バージョンより新しいプラットフォーム・バージョンや、アクティブまたは非推奨ステータスのプラットフォーム・バージョンに変更できます。

新しいバージョンのボットを作成して、デジタル・アシスタントおよびスキルのプラットフォーム・バージョンを更新するステップを次に示します。

デジタル・アシスタントの場合:

  1. サイド・メニューを開くアイコンをクリックしてサイド・メニューを開き、「開発」→「デジタル・アシスタント」を選択します。

  2. バージョニングするデジタル・アシスタントのタイルで、「オプション」メニューを開くアイコンをクリックして「バージョン」を選択します。

  3. 「バージョン」フィールドに、デジタル・アシスタントの一意のバージョン番号を入力します。
  4. 切替え先のプラットフォーム・バージョンを「プラットフォーム・バージョン」ドロップダウンから選択します。
  5. 「作成」をクリックします。

スキルの場合:

  1. サイド・メニューを開くアイコンをクリックしてサイド・メニューを開き、「開発」→「スキル」を選択します。

  2. バージョニングするスキルのタイルで、「オプション」アイコンをクリックし、「バージョン」を選択します。

  3. 「バージョン」フィールドに、デジタル・アシスタントの一意のバージョン番号を入力します。
  4. 切替え先のプラットフォーム・バージョンを「プラットフォーム・バージョン」ドロップダウンから選択します。
  5. 「作成」をクリックします。

プラットフォーム・バージョンの管理のベスト・プラクティス

スキルおよびデジタル・アシスタントの品質を継続的に向上させるには、リグレッションがないことを確認すると同時に、次のベスト・プラクティスに従います:

  • 後で新しいバージョンに対してリグレッション・テストを実行できるように、開発サイクルの最初からテスト・ケースを生成します。

    一般に、プラットフォームでの更新によってボット全体の品質は向上しますが、これらの更新により、スキルのトレーニング・コーパスの更新が必要となる予期しない結果がインテント解決で発生する可能性があります。

    次の両方を使用できます:

    • インテントのバッチ・テスト。CSVファイルとして保存し、インテント・テストで実行します。テスト実行の作成を参照してください。
    • テスト・ケース。ボット・テスターで記録した後、ボットのメタデータの一部として保存できます。テスト・スイートとテスト・ケースを参照してください。
  • 2か月ごとにユーザー問合せに基づいて、スキルとデジタル・アシスタントをテストおよび再トレーニングします。これにより、インテント解決を時間の経過とともに改善できます。

    このプロセスの一環として、最新のプラットフォーム・バージョンでボットの新しいバージョンを作成し、新しいプラットフォーム上のボット・バージョンのテスト結果を既存のプラットフォーム上のバージョンと比較します。新しいプラットフォーム上のボットのテスト結果でリグレッションが明らかにならない場合は、それらのバージョンのボットを本番環境に移行することを検討してください。

  • 6か月ごとにスキルおよびデジタル・アシスタントを最新のプラットフォーム・バージョンに更新(および徹底的にテスト)します。ボットをそれほど頻繁に更新する必要はありませんが、継続したプラットフォームの機能強化を考えると、そうすることで大きなメリットが得られる可能性があります。

拡張されたボットとプラットフォーム・バージョン

スキルまたはデジタル・アシスタントを拡張する場合、ベース・ボットからプラットフォーム・バージョンを継承しますが、変更することはできません。同様に、拡張されたスキルまたはデジタル・アシスタントをリベースすると、ボットはベース・ボットの新しいバージョンで使用されるプラットフォーム・バージョンを継承します。