手動およびオフライン・インストール
この項では、OCIコマンドライン・インタフェース(CLI)の手動インストールおよびオフライン・インストールを実行する方法について説明します。
手動インストール
クイックスタートまたはOCI CLIコンテナ・イメージの使用で説明されているインストール方法を使用するかわりに、pip
を使用してCLIおよびその依存関係を手動でインストールできます。続行する前に、要件を満たしていることを確認してください。
CLIを手動でインストールする前に:
- Pythonパスが正しく設定されていることを確認します
- python --versionまたはpython3 --versionを実行して、必要なバージョンがあることを確認します
- Oracle LinuxまたはCentOSにインストールする場合は、次のものがインストールされている必要があります:
- gcc
- zlib-devel
- python3-devel
- OpenSSL 1.1.1の最新バージョン
ステップ1: Pythonのインストール
Pythonのインストール手順は、CLIがサポートするオペレーティング・システムごとに異なります。
PythonのWindowsダウンロード・ページから、サポートされているバージョンのPythonをインストールします。インストール時に、PATHまたは環境変数(あるいはその両方)にPythonを追加することを選択します(プロンプトによって異なります)。
一部のバージョンのOracle Linuxでは、含まれるPythonのバージョンに互換性がないため、CLIをインストールするために追加のコンポーネントが必要な場合があります。CLIをインストールする前に、新しいOracle Linuxイメージで次のコマンドを実行します。
CLIは、Oracle Linux 9、Oracle Autonomous Linuxバージョン7および8およびOracle Linux Cloud Developer 8に事前にインストールされています。
Oracle Linux 8
sudo dnf -y update
sudo dnf -y groupinstall "Development Tools"
sudo dnf -y install gcc wget openssl-devel bzip2-devel libffi-devel
sudo dnf -y module enable python36 # for Oracle Linux 8
sudo dnf -y install python36 # for Oracle Linux 8
Pythonは、Oracle Linux 8およびCentOS 8でバージョン固有のアプリケーション・ストリーム・モジュールとして使用できます。
dnf module list
を使用して、現在使用可能なPythonモジュールを確認します。例:$ sudo dnf module list | grep python
python36 3.6 [d] build, common [d] Python programming language, version 3.6
python38 3.8 [d] build, common [d] Python programming language, version 3.8
python39 3.9 [d] build, common [d] Python programming language, version 3.9
sudo dnf -y module enable python39
sudo dnf -y install python39
python3.9
python39
とpython3.9
を、python36
とpython3.6
またはpython38
とpython3.8
に置き換えると、それらのバージョンをインストールして使用できます。
Oracle Linux 7
sudo yum -y update
sudo yum -y groupinstall "Development Tools"
sudo yum -y install gcc wget openssl-devel bzip2-devel libffi-devel
sudo yum install -y python3 # for Oracle Linux 7
Oracle Linux 7の場合、
python3-devel
は、デフォルトで有効になっていない可能性のあるol7_optional_latest
リポジトリにあることに注意してください。python3-devel
をインストールするには、シェル・プロンプトから次を実行します:sudo yum install -y --enablerepo ol7_optional_latest python3-devel
Oracle Linux 7で使用可能な新しいバージョンのPythonをインストールして使用する方法の詳細は、Oracle Linuxソフトウェア・コレクション・ライブラリのドキュメントを参照してください。
Oracle Linux 6
Oracle Linux 6は推奨されなくなりました。かわりにOracle Linux 8を使用することを検討してください。
sudo yum -y update
sudo yum -y groupinstall "Development Tools"
sudo yum -y install gcc wget openssl-devel bzip2-devel libffi-devel
wget https://www.python.org/ftp/python/3.6.3/Python-3.6.3.tgz
tar xvf Python-3.6.3.tgz
cd Python-3.6*/
./configure --enable-optimizations
sudo make altinstall
CLIをインストールする前に、新しいCentOSイメージで次のコマンドを実行します。
CentOS Linux 8
sudo yum -y update
sudo yum -y groupinstall "Development Tools"
sudo yum -y install gcc wget openssl-devel bzip2-devel libffi-devel
sudo dnf -y module enable python36
sudo dnf -y install python36
Pythonは、CentOS 8でバージョン固有のアプリケーション・ストリーム・モジュールとして使用できます。
dnf module list
を使用して、現在使用可能なPythonモジュールを確認します。
sudo dnf module list | grep python
python36 3.6 [d] build, common [d] Python programming language, version 3.6
python38 3.8 [d] build, common [d] Python programming language, version 3.8
python39 3.9 [d] build, common [d] Python programming language, version 3.9
sudo dnf -y module enable python39
sudo dnf -y install python39
python3.9
python39
とpython3.9
を、python36
とpython3.6
またはpython38
とpython3.8
に置き換えると、それらのバージョンをインストールして使用できます。
CentOS Linux 7
sudo yum -y update
sudo yum -y groupinstall "Development Tools"
sudo yum -y install gcc wget openssl-devel bzip2-devel libffi-devel
sudo yum install -y python3 # for CentOS Linux 7
CentOS 7で使用可能な新しいバージョンのPythonをインストールして使用する方法の詳細は、ソフトウェア・コレクションのドキュメントを参照してください。
CLIをインストールする前に、新しいUbuntuイメージで次のコマンドを実行します。
Ubuntu 16、Ubuntu 18およびUbuntu 20
sudo apt update
sudo apt install build-essential zlib1g-dev libncurses5-dev libgdbm-dev libnss3-dev libssl-dev libreadline-dev libffi-dev libsqlite3-dev wget libbz2-dev
sudo apt update && sudo apt install python3 python3-pip python3-venv
Mac OS XにはPythonが事前インストールされています。
Mac OS XにPythonの最新バージョンをインストールするには、公式のPythonドキュメントを参照してください。
ステップ2: 仮想環境の作成および構成
venv
Pythonモジュールは、分離したPython環境を作成できる仮想環境ビルダーです。CLIを仮想環境にインストールすることをお薦めします。
仮想環境のインストールおよびアクティブ化
Pythonのインストール後、次のステップを使用してオペレーティング・システムの仮想環境を設定します。
- 仮想環境を作成するディレクトリに移動します。
- 次のコマンドを実行して、仮想環境を作成します:
python -m venv oracle-cli
- 次のコマンドを実行して、仮想環境をアクティブ化します:
oracle-cli/Scripts/activate
- 仮想環境を作成するディレクトリに移動します。
- インストールされているPythonのバージョンに応じて、次のいずれかのコマンドを実行して仮想環境を作成します:
python3.8 -m venv oracle-cli
python3.6 -m venv oracle-cli
- 次のコマンドを実行して、仮想環境をアクティブ化します:
source oracle-cli/bin/activate
ステップ3: コマンドライン・インタフェースのインストール
GitHubからCLIをダウンロードするか、Python Package Index (PyPI)からパッケージをインストールできます。
GitHubダウンロードを使用してインストールするには:
- oci-cli.zipをダウンロードして解凍します。
- オプションで、ダウンロードしたファイルを検証します。
-
次のコマンドを実行します。
pip install oci_cli-*-py2.py3-none-any.whl
PyPIを使用してインストールするには、次のコマンドを実行します:
pip install oci-cli
CLIセッションの開始方法の詳細は、「CLIの使用」を参照してください。
オフライン・インストール
サポートされているバージョンのPythonがインストールされている場合は、OCI CLIのオフライン・インストールを実行できます。
- GitHubのOCI CLIのリリース・ページに移動し、インストールするCLIのバージョンを選択します。
- リリース・ページの「Assets」セクションまでスクロールし、zipファイルをクリックしてダウンロードします。
- オプションで、ダウンロードしたファイルを検証します。
- zipファイルをターゲット・システムにコピーします。
- zipファイルを解凍します。
- プラットフォームに適したインストーラを実行します:
- UnixおよびLinuxの場合は、
bash install.sh --offline-install
を実行します - Windowsの場合は、
install.ps1 -OfflineInstall
を実行します
- UnixおよびLinuxの場合は、
- インストールの指示に従います。
オフライン・インストールのトラブルシューティングについては、GitHubの「Common Issues」を参照するか、問題を作成してください。
仮想環境を使用しないインストール
システム全体のPythonにCLIをインストールすることはお薦めしません。かわりにインストーラまたは仮想環境を使用したCLIのインストールを提案します。
最新のpipバージョンを使用してシステム全体のPythonにCLIをインストールしようとすると、一部のdistutils
インストール済パッケージと競合が発生する可能性があります。次に示すのは、この状況が発生したときのエラー・メッセージの例です:
sudo pip install oci-cli
...
...
Cannot uninstall 'requests'. It is a distutils installed project and thus we cannot accurately determine which files belong to it which would lead to only a partial uninstall.
次のコマンドを使用して、ユーザーのためにCLIをインストールする方法もありますが、この方法はサポートされていません:
pip install --user oci-cli
リリース・チェックサムの検証
CLIパッケージをダウンロードしたら、SHA-256チェックサムを検証できます。オペレーティング・システムに応じ、次の手順に従って、Githubリリースに指定されているSHA-256値と、ご使用のオペレーティング・システムでこの手順を完了したときに取得される値を比較します。
- コマンド・シェルを開きます。
- ダウンロード・ファイルがあるディレクトリに移動します。
- 次のコマンドを実行してチェックサム値を生成します(ここで
filename
は、コンピュータにダウンロードされたファイルの名前です):certutil -hashfile filename SHA256
- 返されたチェックサム値が、Githubリリースに指定されたSHA-256値と一致することを確認します。値が一致しない場合は、ファイルを再度ダウンロードしてこの手順を繰り返します。
- ターミナル・ウィンドウを開きます。
- 次のコマンドを実行します(ここで、
fileLocation
はコンピュータ上のファイルのフル・パスです):
このコマンドで、チェックサム値が返されます。shasum -a 256 fileLocation
- 返されたチェックサム値が、Githubリリースに指定されたSHA-256値と一致することを確認します。値が一致しない場合は、ファイルを再度ダウンロードしてこの手順を繰り返します。
- ターミナル・セッションを開きます。
- 次のコマンドを実行します(ここで、
fileLocation
はコンピュータ上のファイルのフル・パスです):sha256sum fileLocation
このコマンドで、チェックサム値が返されます。
- 返されたチェックサム値が、Githubリリースに指定されたSHA-256値と一致することを確認します。値が一致しない場合は、ファイルを再度ダウンロードしてこの手順を繰り返します。