ディザスタ・リカバリ
ディザスタ・リカバリでのファイル・ストレージ・レプリケーションの使用について学習します。
ディザスタ・リカバリ計画を作成する際には、計画外フェイルオーバーに必要なクローン、ファイル・システムおよびマウント・ターゲットを作成するための十分なリソースがあることを確認してください。一般的なディザスタ・リカバリ・シナリオでは、使用できないソース・ファイル・システムごとに少なくとも1つの追加のファイル・システムを作成する必要があります。フェイルオーバー中に作成されたファイル・システムへのアクセスを提供するために、少なくとも1つのマウント・ターゲットが必要です。詳細は、ファイル・ストレージの制限を参照してください。
次の表に、ファイル・ストレージ・レプリケーションを使用したリカバリの基本ステップを示します:
ステップ | プライマリ可用性ドメインの状態 | 処置 |
---|---|---|
1 | 失敗 | ターゲット・ファイル・システムにフェイルオーバー |
2 | リストア済 | ソースへのフェイルバックの準備: 逆方向のレプリケーションを使用してソースのデータを同期します |
3 | リストア済 | ソースからターゲットへのレプリケーションを再確立 |
ディザスタ・リカバリでは、ソース・ファイル・システムとターゲット・ファイル・システムのクローンを使用する必要があります。ファイル・システムを作成する場合、ファイル・ストレージのサービス制限内に収まる必要があります。クローンが必要になるのは、エクスポートされたファイル・システムはターゲット・ファイル・システムとして使用できないためです。ファイル・システムをクローニングすると、エクスポート履歴がない、ファイル・システムのコピーが作成されます。
- クローンの作成は瞬時に行われ、読取り操作と書込み操作のどちらでもクローンにすぐにアクセスできます。ハイドレーションの進行中は、共有データへのアクセス時に、親とクローンの両方でパフォーマンスへの軽微な影響が見られることがあります。
- クローンの親ファイル・システムは、クローンがデタッチされていないかぎり削除できません。詳細は、ファイル・システムのクローニングおよびクローンのデタッチを参照してください。
1. ターゲットへのフェイルオーバー
ソース・ファイル・システム(File System A)を含むリージョンにアクセスできない場合は、ターゲット・ファイル・システム(File System B)上の最後に適用済のレプリケーション・スナップショットを新しいファイル・システム(File System C)にクローニングします:
- ナビゲーション・メニューを開き、「ストレージ」を選択します。「ファイル・ストレージ」で、「ファイル・システム」を選択します。
-
「リスト範囲」セクションで、コンパートメントを選択します。
-
ファイル・システムに関する情報を表示するには、ファイル・システムを見つけて、
をクリックし、「ファイル・システム詳細の表示」をクリックします。 -
「レプリケーション・ターゲット」名前リンクをクリックします。「レプリケーション・ターゲットの詳細」ページが表示されます。
- 「最終スナップショット」名前リンクをクリックします。「スナップショットの詳細」ページが表示されます。重要
この時点で、最後に適用されたスナップショットの「来歴OCID」を書き留めてください。これで、ソースへのフェイルバック時に必要なソース・ファイル・システムのスナップショットが識別されます。詳細は、スナップショットの識別を参照してください。 - 「クローン」をクリックし、スナップショットを使用して新しいファイル・システム(File System C)を作成します。詳細は、ファイル・システムのクローニングを参照してください。
- ターゲット・ファイル・システム(File System B)の「詳細」ページでレプリケーション・ターゲット・リソースを削除します。
注意
レプリケーション・ターゲット・リソースを削除するとレプリケーション・プロセスが停止します。ただし、進行中のレプリケーションがある場合、ソースのリストア後に完了する可能性があります。レプリケーション・ターゲットを削除しない場合、ソース・ファイル・システムのリストア時にレプリケーションが再開します。これにより、ソースへの計画フェイルバックに必要なスナップショットが削除される可能性があります。ヒント
テストしている場合: ソース可用性ドメインがまだ使用可能であるため、レプリケーション・リソースのみをソース・ファイル・システムから削除できます。レプリケーション・リソースを削除すると、レプリケーション・ターゲット・リソースが自動的に削除されます。 - 新しいファイル・システム(File System C)にエクスポートを作成します。
- 新しいファイル・システム(File System C)をマウントします。
2. ソースへのフェイルバックの準備
プライマリ・リージョンがリストアされたら、ソースへのフェイルバックを準備します。要件によっては、新しい空のファイル・システムにフェイルバックすることや、ソース・ファイル・システムのクローンにフェイルバックすることもあります。リバース・レプリケーションを使用し、データを同期して最新にします。
- File System Aの
FAILED
レプリケーション・リソースを削除します。ノート
レプリケーションが削除されると、レプリケーション・スナップショットはユーザー・スナップショットに変換されます。 - ソース・ファイル・システム(File System A)と、ターゲットにフェイルオーバーしたときに作成したファイル・システム(File System C)に共通するスナップショットを識別します。使用するスナップショットは、ソースとターゲットのクローンの両方にある必要があります。
- ソース・ファイル・システム(File System A)上では、前に書き留めた来歴OCIDを使用して、このスナップショットを識別できます。注意
「最終スナップショット」を使用すると、File System Cの作成に使用されたスナップショットではなく、ターゲットへの最初のフェイルオーバーの後に完了したスナップショットを識別することもできます。 - File System C上で、
replication-snapshot-<replication_number>-<creation_time_UTC>
などの名前の最終スナップショットが見つかります。ただしタイプは「ユーザー」です。レプリケーション・リソースをクローニングしてファイル・システムを作成したとき、スナップショットのタイプが「レプリケーション」から「ユーザー」に変わりました。
- ソース・ファイル・システム(File System A)上では、前に書き留めた来歴OCIDを使用して、このスナップショットを識別できます。
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- フェイルバックに元のソース・ファイル・システムのクローンを使用する場合は、ソース・ファイル・システム(File System A)上で、前のステップで識別したスナップショットをクローニングして、新しいファイル・システム(File System D)を作成します。
- フェイルバックに新しい空のファイル・システムと完全基本コピーを使用する場合は、クローニングせずに新しいファイル・システム(File System D)を作成できます。
-
- フェイルバックに元のソース・ファイル・システムのクローンを使用する場合は、新しいレプリケーションを作成します。このレプリケーションでは、元のターゲット・ファイル・システム(File System C)のクローンが新しいソースになり、File System Dが新しいターゲットになります。レプリケーション・サイクルが完了し、File System DがFile System Cと同じ最新状態になるのを待機します。File System C上でスナップショットを作成してから、それがFile System Dに表示されるまで待機して、ファイル・システムが同期していることを確認できます。
- フェイルバックに新しい空のファイル・システムを使用する場合は、File System Cをソースとして、新しい空のファイル・システム(File System D)をターゲットとして使用するレプリケーションを作成します。レプリケーション・サイクルが完了し、File System DがFile System Cと同じ最新状態になるのを待機します。File System C上でスナップショットを作成してから、それがFile System Dに表示されるまで待機して、ファイル・システムが同期していることを確認できます。
3. ソースからターゲットへのレプリケーションの再確立
元のレプリケーション構成を再確立します。File System CからFile System Dにアプリケーションを移行し、File System Cへの書込みを停止します。次に、ソース(File System D)から新しいターゲット・クローン(File System E)へのレプリケーションを作成します。
- 元のターゲット(File System C)のクローンをアンマウントします。
- File System Cからレプリケーション・リソースを削除します。
- File System Dのエクスポートを作成します。
- アプリケーションからアクセスできるようにFile System Dをマウントします。
- File System Dの最後に完全に適用されたレプリケーション・スナップショットをクローニングして、新しいターゲット・ファイル・システム(File System E)を作成します。最後に完全に適用されたスナップショットを判別するには、ソースにリスト表示された最終レプリケーション・スナップショットの名前とタイムスタンプを、ターゲットの最終レプリケーション・スナップショットの名前とタイムスタンプと比較します。使用するスナップショットは、ソースとターゲットの両方にある必要があります。
- File System Dをソース・ファイル・システム、File System Eをターゲット・ファイル・システムとして、新しいレプリケーションを作成します。