クラスタ自動スケーリング構成の管理
クラスタの自動スケール構成を作成することで、ワーカー・ノードのコンピュート・シェイプおよび数をCPU使用率のしきい値に基づいて自動的に増減させることができます。
自動スケーリングでは、クラスタの最適なパフォーマンスを維持しながら、コストを可能なかぎり低く抑えることができます。自動スケーリングは、CPU使用率をモニターし、設定した構成パラメータに基づいてCPU容量を自動的に調整します。
クラスタが自動スケーリングされると、新しい詳細がApache AmbariまたはCloudera Managerに反映されます。その変更をApache AmbariまたはCloudera Managerに登録するために、自動スケール構成の作成時に新しいクラスタ管理パスワードが作成されます。このパスワードは、自動スケール構成が削除されると削除されます。
詳細は、次を参照してください:
自動スケーリングの仕組み
自動スケール機能は、ワーカーのCPU使用率またはクラスタ内のコンピュートのみのワーカー・ノードに関するデータを収集します。次の2つの自動スケール・トリガー・タイプがあります。
- メトリック: この構成には、スケール・アップ(次に大きいコンピュート・シェイプへの切替え)とスケール・ダウン(次に小さいコンピュート・シェイプへの切替え)、またはスケール・アウト(クラスタへの追加のノードの追加)とスケール・イン(クラスタからのノードの削除)のためのパラメータが含まれます。スケールアップまたはスケールアウト構成では、期間とパーセンテージを指定します。こうすることで、平均CPU使用率が指定期間に指定パーセンテージを超えると、ノードがスケール・アップまたはスケール・アウトされます。スケールダウンまたはスケールイン構成では、期間とパーセンテージを指定します。こうすることで、平均CPU使用率が指定期間に指定パーセンテージを下回ると、ノードがスケール・ダウンまたはスケール・インされます。
平均使用率は、構成に指定した期間全体に基づきます。自動スケール・アクションは、指定した期間の終了時にトリガーされます。たとえば、スケールアップ構成が6時間に対して60%に設定された場合、6時間全体の平均CPU使用率が60%を超える必要があります。その6時間のウィンドウで、使用状況が短期的に60%を上回ったり下回ったりする可能性がありますが、スケール・アップ・アクションがトリガーされるのは、6時間全体のデータが評価されて平均が求められた後で、その平均が構成で指定されたパーセンテージを超える場合のみです。
CPUアクティビティの頻繁な変動に応じてクラスタを頻繁に自動スケーリングする場合は、期間の値を短くしてください。スケーリング期間の有効な値は、5から60分または1から24時間です。時間は60分単位で入力します。たとえば、
60
、120
、180
、240
などを1440
分に設定します。自動スケールの期間はOracle Cloud Infrastructure Monitoring Query Language (MQL) interval値にマップされます。intervalに指定できる値の範囲は、
1m
-60m
、1h
-24h
および1d
です。(MQLの最小intervalは1分ですが、ビッグ・データ・サービスの最小間隔は5分であることに注意してください。)Monitoring Query Language (MQL)リファレンスの間隔問合せコンポーネントの項を参照してください。自動スケールはOracle Cloud Infrastructureのアラームを利用します。また、自動スケールの期間の値は、自動スケール・アラームの通知間隔としても使用されます。(アラームの管理を参照してください。)自動スケール・アクションの条件がもう1回の間隔の後も引き続き有効な場合、アラームによって自動スケールがもう1回トリガーされます。
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スケジュール: Oracleでは、スケジュールベースの垂直スケーリングとスケジュールベースの水平スケーリングの2つのタイプのスケジュールベースのポリシーがサポートされています。
スケジュールベースの垂直スケーリングの一部として、ターゲット・シェイプおよびシェイプ構成(OCPU数およびメモリー・サイズ)を指定します。
スケジュールベースの水平スケーリングの一部として、ターゲット・ノード数を指定します。
ノート
クラスタに関連付けられたすべてのスケジュール済ベースのトリガー/条件は、4時間以上離れている必要があります。
ノート
トリガーが起動したときにクラスタのライフサイクル状態がアクティブでない場合、スケジュールベースの条件は15分間(最大2時間)スヌーズされます。
いずれかのタイプの自動スケール構成でフレックス・シェイプを使用する場合、OCPUの正確な数を追加または削除し、各自動スケール操作中にメモリー使用量を制御できます。フレックス・シェイプでは、最小境界と最大境界を設定することもできます。使用可能なシェイプについては、Oracle Cloud Infrastructureドキュメントのクラスタのレイアウト、シェイプおよびストレージの計画を参照してください。
ニーズに合わせて自動スケール値を常にチューニングすることをお薦めします。アラームのベスト・プラクティスのアラームの定期的なチューニングの項で、アラームのチューニングに関する推奨事項を参照してください。
前提条件
ビッグ・データ・サービス・クラスタの自動スケーリングの前提条件を確認します。
割当て
テナンシには、ワーカー・ノードまたはコンピュートのみのノードをスケール・アップまたはスケール・アウトできる割当て制限が必要です。そうでない場合、自動スケーリング操作は失敗します。サービス制限、割当て制限および使用状況の表示を参照してください。
ネットワーク
クラスタが作成されたとき、次のいずれかのオプションが選択されています:
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オラクル社が管理するサービス・ゲートウェイとNATゲートウェイをデプロイする(クイック・スタート)
このオプションを選択してクラスタが作成された場合は、自動スケールを構成して使用できます。
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選択した顧客VCNのゲートウェイを使用する(カスタマイズ可能)
このオプションを選択してクラスタが作成された場合:
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クラスタに使用されるサブネットがプライベートの場合、サービス・ゲートウェイおよびNATゲートウェイが必要です。サービス・ゲートウェイの概要を参照してください。
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サブネットがパブリックの場合は、ノードにパブリックIPアドレスを割り当てる必要があります。パブリックIPアドレスへのプライベートIPアドレスのマップを参照してください。
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自動スケーリング・タイプ
指定したメトリックしきい値を超えた場合にクラスタを水平または垂直に自動スケーリングできます。
水平スケーリングでは、クラスタに対してノードを追加または削除します。垂直スケーリングでは、クラスタ内のノードのシェイプを変更します。
たとえば、垂直スケーリングの場合、しきい値が満たされると、クラスタ内のすべてのワーカー・ノードのシェイプが、自動的に次に大きいVM.Standardシェイプにスケール・アップされるか、次に小さいVM.Standardシェイプにスケール・ダウンされます。または、フレックス・シェイプでは、構成済のOCPUおよびメモリーの値に変更されます。
水平スケーリングの場合、しきい値が満たされると、クラスタ内のワーカー・ノードの数は、構成されたルールに応じて自動的にスケール・アウトまたはスケール・インされます。
ODHクラスタでは、垂直と水平の両方のスケーリングがサポートされます。ただし、水平スケーリングは、コンピュート専用ワーカー・ノードおよびKafkaブローカ・ノードにのみ適用されます。